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CAT-Q

CAT-Q:隠すことを測る尺度

CAT-Q(Camouflaging Autistic Traits Questionnaire)は、自閉症の特性そのものではなく、それを隠すために何をしているかを測ります。2019年にLaura Hullらの研究グループが発表しました。ほかのスクリーニングが見落とすものを見るための尺度です。

なぜ必要なのか

自閉症のスクリーニングは、特性が外から見えることを前提にしています。ところが、人に気づかれないよう何年もふるまいを調整してきた人は、その調整自体を特性として数えません。本人にとっては、ただの日常のやり方だからです。

そこで繰り返し出る組み合わせがあります。自閉症のスクリーニングは低めか境界あたり、CAT-Qは高い。この組み合わせ自体が、見るべき情報です。

CAT-Qの点数が高いことは、自閉症であることを意味しません。意味するのは、ほかの尺度の低い点数を、そのまま受け取れないということです。

何を見るか

25問を3つの下位尺度に分けます。

下位尺度 内容
補償 意識して身につけた方法で埋める。表情を研究する、会話の台本を用意する。
マスキング 目立つふるまいを抑える。落ち着くための動きを止める、視線を無理に合わせる。
同化 その場に溶け込もうとする。役を演じる、合わせる、自分を隠す。

隠すことの代償

CAT-Qの点数の高さは、疲弊や不安、うつと関連することが報告されています。隠すことは効きますが、高くつきます。

そして、隠せているあいだは支援が届きません。外から見えない困難は、報告されないからです。大人になって初めて評価に行く人が、よく口にする経緯です。

日本語版について

CAT-Qは比較的新しい尺度で、日本語での標準化はAQほど確立していません。考え方そのものは当てはまりますが、日本語の点数を英語圏の基準にそのまま当てるのは慎重にしたほうがよいです。

このあとどうするか

隠すことに心当たりがあり、スクリーニングの点数が低く出ている場合は、その組み合わせを診察で伝える価値があります。大人の自閉症に窓口をまとめています。

女性で遅く気づかれる経緯については、大人の女性のASD・ADHDに詳しく書いています。

原版の質問票は著作権で保護されています。このページでは内容を説明するだけで、項目は複製していません。ここにあるものは診断ではありません。お問い合わせ。